サヨナラの向こう側
ダイビングを終えて一度ホテルに戻り、着替えてからロビーで新藤と待ち合わせた。


新藤はもうロビーで待っていた。



「新藤、待たせてごめん」


「だいじょうぶだよ」


「美久は?」


「部屋で寝てる。


ダイビングで疲れちゃったって」



「・・・美久は、皆川と」


言い終わる前に、新藤は俺の言葉を遮って話した。



「皆川に美久の思いが通じたのかもね」


「・・・そっか」


「千広くん、やっぱりショック?」


「いや、別に」


「私の前では無理しなくていいよ」


「ああ」



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