サヨナラの向こう側
「千広、元気か?」


「わからないです、最近会ってないんで」


「ふーん、俺はてっきりお前たちはつきあってんのかと思ってたけどな」


「そんなことないです、ただの幼なじみです」


「あっそ。


そうそう、美久さ、いい加減にその敬語やめない?


仕事以外はタメ口でいいから」


「わかりました・・・あっ、まちがえた、えっと」


しどろもどろの私に、慶はあきれて笑いながら、


「ま、がんばれ」


と、初めて私に笑顔をみせてくれた。



< 91 / 270 >

この作品をシェア

pagetop