絶対支配
「やーよい!」

1時間目の準備をしていると美智子が話しかけてきた。

「んー?どうしたー?」

ファイルと教科書を手に持ち立ち上がる。

「弥生ってさぁ、もう恋しないの?」

「はい?(笑)」

意外なことを聞かれたので少し声が高くなってしまった。

「なんかさ、前の恋は散々だったじゃん?だから次は上手くいって欲しいし、幸せになって欲しいんだよね。」

普段馬鹿なことをやっている分、
こうゆうときの美智子は本当に真剣に
考えてくれているのがわかる。

「んー、そうだね(笑)いい出会いがあったらね!」

心配そうにしている美智子に
私は笑顔で答えた。

「そっか!今度は幸せになってよね!」

少し心配そうに、でも、嬉しそうに
美智子は私に笑顔を向ける。

もう、あんたらがいるから
幸せなのになぁ。
そんなことは口にはしないけど

「ありがと。」

それだけ言っといた。

「おーい。君たち何してるの!早く行きますよー。置いてくぞー。」

ずっと待っててくれた雫は微笑むように笑いながら
冗談っぽく私達に声をかける。

「あ、ごめんごめんもう行く!」

美智子は慌てて雫の元へ駆け寄る。

「置いてったら泣くぞ(笑)」

そう言いながら私も
二人のもとへ足早に向かった。
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