私って悪女…
気持ちの変化

8月3日

夏も本番
歩いていると地面からの照り返しで気温より熱く感じる。
今日は信司とショッピング。
私はバレないかとヒヤヒヤもんだ。
「これなんかどうかな?」
信司が私に服をあてる。
これで三件目。すでに五着は買った。
すべて信司が会計をしている。
「もういいよ。沢山買ったし…」
「まだいるよ。すいませんこれください」
結局七件回った。
疲れたのでカフェに入りラテを注文する。
「はぁ〜、もう信司と買い物に来ない」
「えーなんでだよ」
「店、回りすぎそして買いすぎ」
「うっ…」
コーヒーを持つ手が震える。
「だって旅行に行くから、必要だと思って」
「旅行?」
「うんライブが終わったらオフを3日もらう予定なんだ」
「私聞いてないよ」
カップをテーブルに置き手帳をひらく。
「石塚さんから許可もらった」
「そうなの?オフはいつ?」
「8月31日〜9月2日」
「…」
二人の誕生日…
「わかったわどこにいくの?」
「まだ秘密」
私は黙ってしまった、信司がサプライズを用意してくれたことを嬉しく思う。
しかし仕事に支障を来さないか心配だ。
「じゃあ帰りますか」
「そうね」

マンションは戻りクーラーをつける。
「あ〜ぁ、涼しい」
信司はコーラ片手にクーラーの前に立つ。
「もうだいぶ冷えてきたでしょ、座ったら?」
「そうだな」
ソファーに並んで座り、テレビをつける。
明日からライブのリハーサルが始まる。
信司の事だから、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるだろう。
私はマネージャーとして、支えなければ!
「円、どうした?」
「ん、信司を支えなければと思ってね」
「それは俺の台詞」
チュッ
「俺達、ジーちゃんバーちゃんになっても手を繋いでいこうな」
「そうね」

この時私の心は揺れていた。
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