私と彼とあの子
そんな彼と知り合ったのは去年の10月のことだ。


私、綾瀬百合がこの学園に特待生として入学してから半年がたとうとしていた。
私は黒髪のロングヘアに160㎝ほどの平均的な身長で容姿でいえば普通、ただ勉強はできたのと特待生ということからそこそこに目立っていたという自覚はあった。
普通に高校生活を送っていた私だったが、あの日の出来事で全て変わってしまったのだった。




あの日は、台風が近づいていて生徒たちはそれぞれ寮に急いで帰っていた。
たまたま私は、日直で先生の手伝いをしていたためかなり時間が遅くなってしまった。
いざ帰ろうと思ったら、D組の不良たちが玄関のところで騒いでいて通りすぎようといたら、彼等に絡まれてしまったのである。


「あれぇー。A組の綾瀬ちゃんじゃん！」

「もう遅いし送ってあげるよ！」

と、いきなり肩を抱いて言ってきたのだ。

「い、いえ。大丈夫です。」

「遠慮しなくていいから。よかったら俺の
　部屋上がって遊ぼうよ！」

なんて言われてどうしようか迷っていたら、この不良くんがいきなり腕を掴んできたので反射的に振り払ってしまったのである。それで、逆ギレされてしまい胸ぐらを捕まれ殴られそうになったところに彼が来てくれたのである。


「おいおい、遊びなら向こうでやれよ。
　さっきから煩いんだよ。」

「誰かと思ったら、優等生の結城君じゃな
　いですか。ここは、君みたいな優等生が
　出るところじゃありませんよー。
　さっさと、ここから出た方がいいんじゃ
　ないー？？」

「ギャハハハーー！！！」

「てめぇら、俺怒らせたこと後悔すんじゃ
　ねぇぞ。」


彼がこう言ったとき、背筋に冷や汗が流れた。この時の彼の表情が無表情すぎて。
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