Black Doll
第1章ーβテスト終了ー
放課後のチャイムも鳴り茜色の空が広がる下で
下校中の学生達が現在話題沸騰中の
オンラインゲームの話で盛り上がっていた。
『お前、今日帰ったらブラドル何時にインする?』
そう笑いながら話しかけたのは
赤城 冷(あかぎ れい)
18歳
高校3年生
身長169センチ
趣味 ゲーム、アニメ
髪はまばらな赤茶(賭けに負けて人生初の金髪を体験した。が、
夜コンビニで不良グループに絡まれる事が多くなり、急いで黒に戻したが上手く戻らなかった)
目は少し細めだが、色が少し青い
色が青いのは
冷の父がアメリカ人で母が日本人
いわゆるハーフなのだ。
唯一自慢気に話せる所であり、
一瞬でも自分が会話の中心にいれる心地いい会話ができるのである。
『何時って、6時にインするに決まってんじゃん』
と、冷の笑顔に負けない笑みで
携帯をいじっている男。
上木 深夜(かみぎ しんや)
18歳
高校3年生
身長176センチ
趣味 ゲーム、アニメ
髪は青光しそうなほど黒くボサボサだが
眉毛だけは綺麗に整えてある。
これといった特徴がなく
よく私の、俺の友達に似てると言われる事に軽くショックを感じている。
『だよなぁ、今日やっとブラドルの
βテストが終わるんだし。
テスト終了イベント参加するしかないよな』
そう、本日をもって大人気のオンラインゲーム
『Black Doll』のβテストが終わり、
テスト終了記念イベントが12時までの
5時間限定で開催されますと全ユーザーに
告知メールが届いた。
『うんうん。じゃあ6時にローベリアの噴水前で待ち合わせな~』
よほど携帯ゲームがいいところだったのか
冷に目もくれず分かれ道を曲がって行った。
『まったく、歩きながらゲームしすぎなんだよあいつは。事故っても知らねえぞほんとに。』
ため息をつきながらもワクワクが止まらず
思わずスキップしたくなる気持ちを抑えて
自分の家へと足を進めた。