モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
ネコ
女子高生になって初めて学校へ行く日、私はいつもより早く起きると、顔を洗い、新しい制服に袖をとおした。
黄土色のブレザーに、紺のセーター、黒のプリーツスカートに、可愛い赤のリボンのネクタイ。
ショートヘアーで長身な私……。
分かってはいたけど、可愛すぎて私には似合わない。
誰が見ても絶対に似合ってない。
部屋を出てキッチンに行くと、朝ご飯を作る母親に声を掛ける。
「おはよ」
「あら、おはよ。もう制服着たの?今日から司も女子高生ね。でも似合わないわね。髪の毛が伸びたら少しは見れるかしら?」
笑いながら言う母親の言葉に私は少し不機嫌になる。
「うるさいなー」
そう言って食卓に腰を掛け、時計を見ながらテレビのチャンネルを変える。
この時間なら、まだ星占いランキングは始まってない。
「でも司が女子高を選ぶなんてね。今でも信じられないわ」
「……」
だって女子高に行けば、少しは女子っぽくなれるかもしれないじゃん。
「ねぇ、何で司なんて名前つけたの?」
「又その話?だからお父さんが男の子が欲しくて、諦めきれなかったって何度も言ったじゃない」