モンスターガール~彼女はいつもカメレオン~
ネコの家
誰がこんなに……。
そういえば……入学式の時、ネコと初めて会った日。
キティーちゃんの携帯ストラップをなくして……。
『そうじゃなくて、あれはね、占いがね、ダメなのよ』
『占い……?司ってそういうの信じるんだ?』
私は籠の中に転がるキティーちゃんを全部拾い、ひとつずつ確認する。
恋愛成就。
合格祈願。
金運アップ。
友情……。
ネコだ。
ネコ以外に考えられない。
私は【友情】と書かれたキティーちゃんのストラップを握り締める。
あんなに酷いこと言ったのに、ネコは私の為に……?
胸が熱くなった。
「ちゃんと入れた?」
母親がソッと顔を覗かせる。
「あ……うん」
「あら、そんなにいっぱいどうしたの?司、嫌いだったわよね?キティーちゃん。お父さんが買ってきたとき……」
そう母親が言い掛けたとき、思わず私は母親にキツく言った。
「これは大事なの!!すごく……大事なんだから!」
「司……?」
キティーちゃんを両手に持ったまま、私は部屋へと戻る。
そして机の上に置くと、これを選んでるネコの姿を思い浮かべた。
そして携帯にキティーを付ける。
“友情”
明日、ネコと仲直りできますように……。