君の「好き」。
始まり
4年前、とある小学校の休み時間。
あたしはあなたの気を少しでも引きたくてこんな質問をした。
「ねぇ裕ちゃん」
「なんだよ。」
裕ちゃんの目線はクラスのアイドル愛ちゃん。
あたしは愛ちゃんをささやかに恨みながら聞いてみた。
「裕ちゃんって何色が好き?」
こんな質問で裕ちゃんの気が引ける訳でもなく、彼の目線は変わらず。
あたしは小さく溜め息を落とす。
すると裕ちゃんは真顔でこっちを向いてきた。
――…え??
当時小学生のあたしの小さなトキメキを感じる。
「青。」
そしてまた愛ちゃんに目線が戻った。
あの日からあたしは
あなたの「好き」で囲まれる―…