君に沈没。
無防備に投げ出された手足が白くて細い。
その手を掴んで自分のものと絡めた。
「なっちゃん?」
「……」
ただぎゅうぎゅうと握り締めれば、互いの温度で触れ合ったところが熱くなる。
ふふっと笑ったミオが俺を引っ張り上げ、海の方へ駆けた。
ざぷん、と音を立てて、足が冷たい水の中に浸かった。
跳ね上がった海水が服に滲んでいく。
「男の子って好きだけど、嫌いだな。
みんなそばから離れて行っちゃう」
「俺は違うよ」
俺は……、違う。
「うん!
なっちゃんはずっと一緒だよね。
ずっとずっと幼馴染だもんね」
つきりと、胸がもう随分昔に慣れてしまった痛みを訴えた。