嘘や偽りの中で
恋したあの日


あれは蒸し暑さが抜けない1年の夏休みの夜。


『近くの公園へ今すぐ集合せよ』


突然、送られてきた親友の美奈からの呼び出しメール。


『何で?』


家でくつろいでた私が億劫になって返したメールに対して


『どうせヒマでしょ?太一と花火してるから亜樹も来い!』


美奈の半強制的なメールに言われるがまま、渋々出かける事にした私。


美奈とは中学から仲良しで美奈の彼・太一も同中出身。


今現在も同じ中園高校に通っている。


夏休み中まで二人の熱々ぶりに当てられる私の身にもなって欲しいよね。


自転車を漕ぎ、やっとたどり着いた公園の隅に見えた人影は…3つ!?


「遅いぞ!亜樹。」


1つの影が立ち上がり私へと駆け寄ってきた。


だって部屋着状態でくつろいでたんだもん。


「ごめんって。」


声の主・美奈へと私が言葉を返すや否や


「こっちこっち。」


美奈は私の手を引き、座り込みしてる2人の元へと導いた。





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