~お姉ちゃんの恋人~

振り返ったその人は…。


「悠里ちゃん?」


やっぱりわたる君だった。


「どうしたの?」

驚いた顔のわたる君。


…迷惑だよね?

バイト先にまで押しかけて。


「ごめんなさい。会いたくて来ちゃった。」

俯くあたしに。

「俺っ、悠里ちゃんが来てくれて、凄く嬉しいよ。」 と言って笑ってくれた。


「悠里ちゃん、少し時間ある?話あるんだけど…。」


「時間はあるけど…。」

話ってなんだろう?


「ん~っ。立ち話もなんだし…、良かったら俺んちこない?」


「わたる君のおうち?」


「うん、そこのマンション。あっ、もちろん変なことしないからっ。」


焦るわたる君が、可愛くて、あたしは笑顔になった。
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