指輪と私の物語1~焔~[完]
螺旋のようになっている階段を降りると、
広い場所に出た。

フッ

誰か居る?

「お前達何用か!」

黒いフードを被った男が、柱の影から現れた。


「僕達は、炎の山の大妖精様の導きでここまで来ました。あなたは?」

私を後ろにし、前に立ちながらも、綺麗な身のこなしで挨拶をするバーン。


「私は、ここを守る者だ。」

ここを守る?

ここに何かがある?

「何を守っている?」

シュッ

カキーン!

「バーン!」

男の手には、剣が握られている。

男が一瞬で、バーンに剣を向けたのを、
バーンが同じく剣で受け止めた。

「ここを通りたくば、私に傷を負わせてみろ。」

「何で、こんな事をする!?」

「知りたいのだろう?鈴木 佑里の秘密」

私の秘密!?

「・・・クッ・・・。分かった。ユーリ!下がってろ!」

男の剣をはじき飛ばし、私を部屋の角へと押し出した。

私は、邪魔にならないように、階段の方まで下がった。

私のせいで、バーンが。

モブを呼びに!?

ううん。この祠に入れるのは、私とバーンだけ。


きっとこれは、試練なんだ。

バーンが負けるわけない!
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