指輪と私の物語1~焔~[完]
こんなにカッコイイ人は、テレビの中でしか見た事が無い。

バーンも思わず動きが止まった。

「アハハハハ!合格だ。本気を出していないとは言え、この俺のフードを取るとはな!」

本気じゃない?

あれで?

「本気じゃない・・・僕は・・・本気で来いよ!」

バーンが、剣を向ける。

「待て。バーンと言ったな?今のお前でも、充分強い。」

「バーン!」

私はバーンに近寄った。

「さぁ、2人ともこのまま奥へと進むが良い。」

あ!

男はそう言うと、一瞬にして姿を消した。

「消えた!?何で?」

「な、何なんだ?」

バーンにも、状況が分からないらしい。

広場の奥には、扉があった。

「ユーリ・・・何があろうと、僕が守る。」

「うん。大丈夫だよ?」

怖いけど、大丈夫。

私には、バーンがいる。

バーンが剣をしまうと、私の手を取った。


あれ?
バーンの頬の傷が消えてる・・・。

「バーンの傷・・・」

「え?・・・あれ?痛くない?」

「消えてるよ?」

バーンが、ペチペチと頬を触った。

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