指輪と私の物語1~焔~[完]
バーンの言葉を聞いた神が、赤い石が付いた指輪を渡してきた。

バーンが、恐る恐る受け取る。



突然、バーンの腰の剣が赤く光ると、そのまま消えた。

え?

バーンも、焦る。

「え?僕の剣が!?」

「少年よ。指輪を付けて、その指輪に気を流すイメージをしなさい。」

神は、バーンが落ち着くように言った。

「え?どうやって・・・。」

「イメージするのです。」

神が、バーンの額に手をかざした。

神の手から、光が漏れる。

すると、バーンが指に嵌めた指輪が光出した!

「そう、いい感じよ?」

赤い光が指輪から、発せられる。

眩しい!

私は、目を逸らした。

逸らした視線を戻すと、バーンの手には、赤く光る剣が握られていた。

さっきまでの剣と似ているけど、輝き方が違う。

何なんだろう?

「その剣には、炎の力があります。正しく使いなさい。それは、佑里を守る盾となるでしょう。」

バーンが、気を抜くと剣が指輪に戻っていった。

凄い!指輪から剣が出るの?

魔法みたい!!

「さぁ、佑里は帰る時間です。」

神が唐突に言った。

帰るって!?
何処に?

「え?待って!」

「そうか・・・。ユーリは、ここから帰るんだよ。自分の国にさ」

「え・・・。」

「僕にもよく分からないけど、この指輪を渡されたって事は、きっとまたユーリに会える。そうでしょう?」

神は頷いた。

「そんな・・・皆にバイバイ言ってない!」

「ユーリ、皆なら大丈夫。絶対また会える。」

今、ここで帰らないと、私は2度と帰れないって事?

神は、帰れと言う。

変わり者だけど、イザとなれば頼りになるモブ

無口だけど、安心感があるスー

とても頭の良い、お姉さん的存在のマリ


テイラとスケベ・・・。
この漫才が見られなくなるのかぁ。

そして、バーン。

あなたとは、またいつか絶対会える。

それなら、それを楽しみにしよう。

お母さんの所に帰ろう。

「神様・・・家に帰ります。あ、バーン!マリに、スーに気持ちを伝えなきゃダメだよって伝えて!!」

私が、そう伝えると神は微笑んだ。

私の視界が歪んだ。

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