指輪と私の物語1~焔~[完]
ー転校してから1ヶ月が立った。


「何やお前チビやなぁ!」

「何だって~!清川ー!待て!こら!」

バタバタバタバタ!

ここ最近、クラスメイトの男子がやけに突っかかって来る。

逃げる男子に、追いかける私。

この構図が日常化してきた。

けど、最近少し気になる人がいる。

園山 幸也

清川君と1番仲が良いみたいで、私と清川君の漫才をいつも笑って見ている。

その笑顔に一目惚れしたんだ。

園山君とは同じ班。

「佑ちゃん!実習室、行こう!」

今日は、調理実習。

ほうれん草の炒め物。

エプロンや三角巾などを持つと、移動した。

東京の学校と違って、校舎が少し入り組んでいるから、まだ慣れない。

調理室に向うと、自分の班の席を確認する。

あ!ラッキー!
園山君の向かいが空いてる!

5人で1班、8班まであって1つだけ6人の班があった。

先生が始めに、手本を見せる。

「そんなら、あんた洗って!」

おちゃらけたキャラの、もう1人の男子が、女子の怒りをかって、ほうれん草洗い係になった。

洗った物から、女の子が切っていく。

「じゃあ、炒めるね?」

私は、炒め係になった。

「味付けするわ~!」

近い!

私の心が跳ね上がった。

園山君が、塩コショウしていく。

「この位?」

「うん!良いかも!炒めてみる?」

「俺、初めてやわ~!」

楽しそう!

そんな楽しそうな園山君を見てると、
私も楽しい。

そんな楽しい時間は、直ぐに終わってしまう。

その後の席替えで、園山君とは班が別になってしまったから。

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