指輪と私の物語1~焔~[完]
家に着くと、父親も帰宅していた。

何?

どうしたの?


「お婆ちゃんが、死んだの。だから、埼玉に行くから準備して。」

え?

夏には、従兄弟家族含めて皆で温泉旅行に行ったのに。

あの時は、まだ元気そうだった。

なんで?

「癌だったんだよ」

そ・・・うなんだ・・・。

私は、着替えなどを鞄に詰め込む。

学校の準備も、旅行に行く時もいつも自分で用意をするから、慣れたものだ。

「きゃっ!」

ん?

洗面所から悲鳴が聞こえた。

「なんだ?」

父親と弟が駆けつける。

私も、覗いて見た。

「も~ぉ!鏡~!」

「鏡?」

「鏡の中にお婆ちゃんがいたのよ!」

え・・・。

某ホラーテレビ『あなたの・・・世界』じゃないんだから!
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