ある少女のお話
少女は歩きだしました。
自分の知らないことを、世界を知るために立ち上がりました。
少女は世界を知りました。
それはとてもとても大きな世界です。
草木が繁り、花の香りがあたりに漂う緑の国。
ギラギラと輝く太陽と、真っ青な宝石を溶かしたかのような海の国。
色鮮やかな葉が風に踊り、燃えるような空の美しい夕陽の国。
ツンとした澄んだ空気と静寂で人の心を洗う雪の国。
少女はたくさんの国を知り、たくさんの世界を見ました。