ある少女のお話
看病のかいがあったのか、少女はすぐに元気になりました。
少女は問います。
なぜこんな森深い場所にきたのかと。
少年は答えます。
自分がわからないのだと。
居場所がないのだと。
ただ静かな場所で生涯を終えたいのだと。
少女はそんな少年を見て昔の自分を思い出しました。
それならここに住めばいい。
たくさんの時間の中で自分というものを考えて、ここに居場所を作って静かに暮らせばいい。
少女の言葉に少年は笑って頷きました。