片想い連鎖
「いいんじゃない、恋のきっかけはそれぞれなんだから」
「え…」
「なに」
「いや、ごめん」
真面目に聞いてくれてたとは思ってなかった。
そして、言葉をくれるとも思ってなかった。
「…ありがと、遊乃!」
「別に。私の意見を言っただけ」
そっぽを向いた遊乃に抱きつく。
「っちょ!危ないから!!」
「えへへ〜遊乃だーーいすき!」
遊乃は友達で、これからもずっと友達。
なんでか遊乃とは、離れたくないって思った。
大好き、だからかなぁ。
「そーだ!遊乃、帰りにクレープ屋さん寄らない?新しくできたんだよー」
「今日…暇だから、いーけど」
「うん!今日はあたしが奢るよ!」
あたしが遊乃を慰めるはずだったのに、逆に元気づけられてしまった。
せめてもの償いで奢ることにした。