フェアリーガーデン
月葉が何も言えずにいるのを見て、旭がおどけたように笑う。



「なんてね。冗談だよ、今時そんな伝承なんて信じるわけないだろ?」

「う、うん」

「さてと。そろそろ戻らなきゃね、深紅たち呼んでくるよ」



いつもと変わらない笑顔。



旭が奥へ引っ込んだ後、蒼馬はようやくスプーンを置いた。



「あれでいて結構繊細なんだ、あの馬鹿は。伝承なら、石碑に書いてあるから後で見に行くといい」

「その石碑はどこにあるの?」

「妖精との礎を築いた始まりの男が、眠る場所だ」

「蒼ちゃん。案内お願いします」

「……だと思った、はあ」



既に結末を予想してたらしく、蒼馬は深いため息を吐きつつも、渋々了承する。



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