守られお姫様
翔「この近くに公園あったよね?」




『あ、うん。公園って言っても遊具ないけどね。』




翔「そっか。ならちょうどいい。そこに寄っていい?」




『いいよ。道分かる?』




翔「あ、そういえば。知らない。」




『分かった。私が道案内する。』




そう言って翔より一歩前に出ようとすると




翔「ダメ。絵音は横にいて。口で道案内して。」




『なんで?』




翔「た…ただ俺が絵音の隣にいたいだけ…。」




少し頬を赤く染めてちょっと俯いてそう言った。




前なら単に喜んでただろう。




あれ?いつからこんなに冷たくなったんだっけ。




あーもーわかんない。




翔の気持ちもわかんないよ!




学校を出る時より少し不機嫌になったのが自分でも分かる。




しばらくして公園についた。




そこの公園は公園ってほど遊具も無く、ただベンチが置かれているだけ。




そして真ん中に大きな桜の木があるんだ。




今は咲いてないけどね。




公園に入ってベンチに座ってもお互いに口を開かない。




この沈黙を、破ったのは────




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