守られお姫様
震えが止まらなくなりそうで自分で自分
を抱きしめた。




「俺はまた仕事中が入った。次は海外だ。半年程は帰ってこれない。だから、琉星、お前に迷惑をかけるが母さんをよろしくな。」




そういった父さんは、俺の頭を撫でて部屋を出ていった。




ふざけんなよ。




何が母さんをよろしくな、だ。




父さんは俺をほって母さんの事を押し付けるくせに!




その日から俺は恐怖との戦いだった。




唯一息がつけるのは兄が帰ってきた時だけ。




兄は父さんと母さんのあの喧嘩の事を知らない。




だけど大体の憶測はつくはず。




俺が母さんを目の前にすると震えるから。




狂ってた母さんは俺の震えなんて気づかない。




「琉星ー。」




『何?母さん。』




この日もいつも通り平然と母さんに接した。




「今日も彼氏連れてくっから静かにしてろよ。私はそれでお金稼いでんだ。子持ちって知られたらめんどーなんだよ。」




いつもなら「わかった。」と返事していた。




だけども今日は少しむしゃくしゃしていて母さんに逆らってしまった。




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