純白のチューリップ
一章
「……痛ぁーっ!!」
教室に響いたスコーッンという清々しい大きな音。
それと同時に、鈍い痛みを感じた頭を押さえる。
「雨宮っ…お前は何で揺すっても起きないんだ…」
怒りで声が大きくなっている担任がため息混じりに言った。
「何でって…眠りが深いんじゃないですかね?」
うん。きっとそう。
しぱしぱしている目を擦りつつ答える。
やっと見やすくなった瞳を開けると、担任はこめかみの辺りを押さえていた。
「はぁ。これだから能力無しは…」
担任の口からポツリと溢れた言葉に体が反応する。
うん、分かります。そう言いたくなるの。
…だってそんなの、
今まで何度言われてきたことか。
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