聖なる龍に愛された。
そして私のクラスの前まで来たとき。
「ね、ねえ。さっきは、、ありがとう」
下をうつむきながら小さい声でそう言った。
『葉月』
「え?」
不思議そうに顔を上げる勇魔。
『さっき。名前呼んでくれてありがとう』
たまに自分でも何が何だかわからなくなって
人を殺めそうになる。
だからきっとあたしは、
あのまま勇魔に名前を呼ばれなかったら
あの女をぐちゃぐちゃにしてた。
だから勇魔には感謝しなきゃいけない。
そしてなにより、
『名前言ってくれて嬉しかった』