聖なる龍に愛された。
少しイライラしながらロッカーを閉めた。
ため息をつき教室を出ようとドアの方を向くと
そこには太陽が立っていた。
「は〜づきちゃん」
ヘラヘラしながら近づいてくる太陽。
周りの男たちの視線は私と太陽に向いている。
『なにしてるの』
「んー、ジャージ貸してあげようとおもって〜」
そう言って私にほいっとジャージを渡してきた。
渡されたジャージは明らかに大きめのサイズ。
きっと太陽のジャージ。
『なんでないこと知ってるの』
受け取りながら質問する私。
「たーまたま葉月ちゃんのジャージを切り裂いてる女の子みちゃってさ〜あー、ちゃんとお説教しといたよ〜」
相変わらずヘラヘラの太陽。
お説教って。なにしたんだ、此奴。
「だから〜俺の貸してあーげーる。なんなら俺が着替えさせてあげようか〜?」
いきなり顔を近づけ甘い声でそんなことを言う太陽。
なぜか周りの男たちの顔が赤い。
『大丈夫。ありがとう』