聖なる龍に愛された。
『……』
真剣な太陽に対して、
わたしはなにも言えなかった。
太陽は助けてあげてって言うけど、
勇魔はわたしのことをどう思ってるんだろう。
余計なお節介とか思われたら。
でも、
またあの小さく弱々しく震える勇魔をみたくはない。
「葉月ちゃん、信じてるよ」
このなにか探るような目。
屋上のときも同じ目をしてた。
きっと太陽自身はわかっていない。
寂しそうな目を、哀しそうな目をしていることを。
そしてこの言葉はわたしを試してる。