聖なる龍に愛された。
倉庫
結局担がれたまま黒い車に乗せられた私。
これじゃあ、誘拐じゃん。
何故かオレンジ頭と青いヤツはいない。
いない方が静かで良いんだけど。
「着いたぞ」
そう言って外へ出たと思ったら私側のドアを開け、私をお姫様だっこする金髪。
『なにしてんの』
「あ?お前が担がれんの嫌そうしてたからだろ」
こいつは馬鹿だ。
担がれるのはもちろん嫌だけど、
全然知らない男にお姫様だっこされるのも嫌だ。
けど。
何を言っても無駄なことは分かってる。
だから私は何も言わなかった。