聖なる龍に愛された。
「でも、もう無駄な喧嘩はすんな」
真剣な顔つきでいう龍牙。
『なんで?』
「お前が傷つく姿は見たくない」
いつもなら怪我はしない。
今回はほんとにたまたま。
それに、
『関係ない』
べつに、龍牙には、関係ない。
そうだ。
そうだった。
私は。
独りだ。
今は独り。
これからも独り。
ずっと、ずっと。
「私は、独りだから」
のはずなのに、
「俺らがいんだろ」
ニカっと上がる龍牙の口角。
「黙って側にいろよ」
魅入ってしまうほどの、笑顔で、私に光を与えてくれる。