聖なる龍に愛された。
「知りたくないの〜?」
『べつに』
「仕返ししたいと思わないの〜?」
『べつに』
何かを探るかのように聞いてくる太陽。
「なんで?」
いきなり、怖い顔つきに変わった。
「いい子ぶってる?私は他の奴らとは違うよって思ってる?」
どうしたんだろう。
いつもと様子が違う。
『べつに』
「どうせ君も他の奴らと一緒だろ。そんな本性隠してないでさっさとだしなよ」
『……』
なんのことを言ってるの。
どうしたの。
そう言えば良いのに、私の口は動かず、ただただ太陽を見つめた。
「女なんてちょーっと人気あって、キャーキャー騒がれてるやつの前では良い顔して、少しでも好かれようとするんだよなあ。どうせ中身なんてみていない。顔だけよければ、なんでも良いんだろ」
『太陽』
止まらず喋り続ける太陽の名前を初めて口にした。
「あっ、、ごめん…俺としたとこが、何言ってんだろーねー」
ふと我に返りいつものようにへらへら笑う太陽。
でもいつもより、どこか哀しそう。
わたしにはそうみえた。