聖なる龍に愛された。




「誰だ、お前」



一番に彼女の存在に気付き低い声で言った龍牙。


そのオーラといい、殺気といい、


普通の子なら後ずさるはずなのに彼女は違った。



後ろ姿は凛としていて、綺麗な黒髪。


濡れた制服のせいで分かる体のライン。



振り返り無表情で龍牙をみる彼女は


今まででみたことのないくらい


この世のものとは思えないほど


美しかった。




けど、




どうせ此奴も他の女と同じ、俺はそう思った。





< 62 / 110 >

この作品をシェア

pagetop