俺のこと、惚れさせるから



****


「どお?落ち着いた?」


「………う、ん」



クリスマスツリー点灯まで、あと5分。


たくさんのカップルに囲まれて、俺たちはツリーを見上げていた。



「だ、だいたい、翼が戻ってくるのが遅いからこうなったんだからね?」


「悪かったって」



さっきからこのやりとりを何度も続けていた。



「で?何買ってきたの?」


「え?あ、えーとそれは………」



どうしよう。


今言ったらカッコつかないよな。



「ほ、ほら、あと1分!」


「あ、逸らした…………」



じとーっと俺を睨み、夏姫はそっとツリーに目を向けた。

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