俺のこと、惚れさせるから
「でもさぁ、やっぱ春川狙いだよなぁ」
「なぁ、春川だってまんざらでもなさそうだったし」
止まらないおしゃべり。
それがなんだか、異様に頭に響く。
「春川もさぁ、どうせ顔が同じだったら、
好いてくれる子のほうがいいよなぁ」
…………好いてくれる子。
「わかってるよ」
私は小さく呟いて、またペタンと床に座った。
私はずっと、蜜姫との約束を理由にして翼から逃げてた。
そんなの、充分わかってたはずなのに……!