俺のこと、惚れさせるから



そっと中に入り、とりあえず泥棒ではないことを確認する。


玄関にはやはり、男の靴。


私はすうっと息を吸い、リビングに入った。



「久しぶり、お父さん…………」


「あぁ、夏姫」



ソファーに座っていたのは、世界でたった一人の私のお父さん。


愛しくて憎い、お父さん…………。

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