雨の日に君へ
「………」
彼はきょとんとしながら固まった。
それに対しどうすればよいのかわからず
狼狽えているときだった。
「ビーズお嬢様ー!」
……!?
前方から説羽つまった様子で
こちらに駈けてくる男が一人。
ん?ビーズ??
「あっ!しまった」
と、ビザーリックは慌てふためきだす。
その間にも男は走ってくる。
よくわからないがあの男はビザーリックを
追いかけているらしい。
ここはとりあえず逃げた方がいいか……?
「……こちらへ」
ビザーリックの手を取り路地裏へ入り込んだ。
一旦撒かないと……!
入り組んだ道を右へ左へとにかく走った。
途中、自分もどこをどう進んでいるのか
わからなくなってしまうほど。