雨の日に君へ

「……いただきます」

食べるのかよ、この空気の中。
酷いこと言われたこの店で…。

「はっ、あんた田舎者かい?
ご苦労なこっだな。
あんな奴の御守り頼まれるたぁ。」

「……どういう意味だ!」

「ヨハン、構うな。…無視しろ。」

「お前みてぇな化けモンが人間様に命令とは
世も末だねぇ~」

嫌みたらしい言葉にそろそろ限界がきた。
ビザーリックには悪いがこんな店、
さっさと出ていきたい。

──ガタン…

「あ、おい!何をする、
まだ食べ終わってないぞ」

「……嫌です。
こんな店で食べることはありません!
なんなら俺が作って差し上げますよ」

これ以上ビザーリックを
悪く言われるのを見ていたくはない。

「ちょっと!ご勘定!」

「…釣は要りません」

払いたくないけど…。


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