雨の日に君へ

どこかおかしいそれは
どうやら人工物……つまりは義足だと直感した
膝から下が妙に細い。
黒のハイソックスではなく包帯が巻かれている

「おや?
……今、気付いたのか!?」

「……はい」

言われなきゃ気付かないだろう。
……なるぼど、そういうことか。

「しませんよ……」

ただ片足がないだけ、たったそれだけ。
ビザーリックはそのたったそれだけのことで
苦しんできたのだろうか……。



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