Longing Love ～あなたに恋して、憧れて ～

「そうか…」


「そうよ、私の話なんか、
どうでもいいから。ナオの話してよ」


私のことなんて、
話すことなんか、あんまりないし。


ナオは、胸の前で軽く腕を組んで、
私を睨み付けている。

そういえば、久俊さんのこと、
ナオには全然話してなかった。

だって、ナオが興味を持つなんて
思わなかったし。


「俺の場合は、話しても、
しっくり来ないってことかな。
なのに、相手は俺のこと、
運命の相手だと勝手に思ってる」


私は、目を丸くした。


「ええっ？運命の相手？
そんなこと言われるの？
私は、わかんないな。言われた事ないもん。
だったら、ナオもしっくり来る、
運命の相手をがんばって探しなよ」


運命の相手だって、
迫られる場面に遭遇したことないし。


「春、笑っただろ？」


ナオが、面白くないって顔をしたので、
私は、ナオに笑いかけた。


「いいじゃない、
運命の相手が、列を成して
会いにくるなんて、是非見たいよ」


「やっぱ、言うんじゃなかった。
からかわれるだけだ」


「ごめん、ごめん。相変わらず、
モテるんだね」


「不特定多数にモテても仕方ない」


「へぇー、まるで、
特別な一人に当てがあるみたいじゃない」



私は、すぐに朱音のことを思い浮かべた。
パーフェクトには、パーフェクトだろうな。
トランプのゲームみたいだけど。


確かに朱音なら、
ナオの横にいても、
ナオだけが目立つことはないか。