Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「ごめん、ちょっと席はずすね」
春が席を立ったタイミングで、
森山さんが話しかけてきた。
「ナオさん、ご馳走様でした。
ほんとに素敵だったわ」
「どういたしまして」
「ちゃんと効いてたんですね。写真」
森山さんは、満足げにうなずく。
「それだけじゃないよ」
「わかってます。
ちゃんと二人っきりにしてあげますから」
「いいよ。余計なことは止めてくれ」
「いいんですか?あともう少しですよ。
前野さん帰ってきたら、
新しいプロジャクトが始まって、
恩田先輩引っ張られて、
責任者になりましたから、
朝から晩まで、ずっと一緒になりますよ」
「同じ会社だからな」
「忙しくなったら、
ずっと一緒にいるんですよ」
「だから、何?」
「怒らないで下さい。
前野係長って指名で仕事が来るんです。
だから、社内でも発言力があって、
恩田先輩なんか、いいように使えるんですよ。
今日も、課長に前野さんと
結婚して子供生んでから、プロジェクトに
入れって冗談言われてるの」