Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「フルーツが乗ってるのがいいな」
と森山さん。
彼女は、確かに楽しんでるようだ。
「そんなのある?」
カウンターのほうに向かって言う。
「ご用意いたしますので、
お好きなのをお選びください」
「春は?」
「ウィスキーの水割り」
「俺も、響17年ある?」
「はい」
「お似合いですね。二人でいると」
「そう?」可愛いこというじゃないか。
「春妃さんの横には、ナオさんが合ってます」
「ありがとう。ナオといると、
私まで実際よりも、
洗練されて見えるのかしら」
「先輩、自分のこと下に見ることないのに。
春妃さんは、大きな電機メーカーで、
主任の肩書きを持って、
バリバリ働く自立した女性です。
ナオさんの横に並んでも、
何の遜色も無いですよ」
「そう見える?嬉しいな」
「だから…
好きな人と一緒にいてください。
横にいる、都合のいい人じゃなくて」
「もう一杯頼むか?」
「いいえ。私ちょっと席はずします」
森山さんは、
俺のほうに軽く頭を下げると
店の外へ出て行った」