Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
眠れない
「間違えたのは、悪かった。
謝るから…機嫌なおして」
「悪いなんて、思ってないじゃないか」
「悪いって思ってる。本当にごめん」
いつもなら、
こんな些細なこと、気にもしない。
すぐに笑って、気にするなっていう。
でも、それじゃダメなんだと思う。
春の謝罪の言葉には、答えない。
「だから、謝ってるじゃないの…」
春妃が苛立っている。
「そういうふうに、軽く済ませようと
するところが気にくわない」
それでもまだ止めない。
「絡むなあ、今日は…」
「昨日までがいいやつで、いすぎたんだ」
「それで、心を入れ替えたの?」
俺は、春妃の顔をチラッと見る。
「ああ、俺は、
今までの行いを反省してるんだ」
「酔っぱらってね」
「酔っってなんかいない」
「そう」
「春のせいだから」
こんなにイラつくのも、
こんなに不安なのも。
氷で少しだけ、
薄まったウィスキーを一気に飲み干した。