Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


「春さあ、そういうんじゃないだろうな。
堅実な相手見つけて、ひたすら真面目に、
付き合い始めるんだろうな」


「何よ、私のこと
つまらない女って思ってるでしょ?
でも、普通そんなもんだから。

付き合ってるのに、毎回、
その子でいいのか何て考える方が、
ふざけてるのよ」


「ああ。本当に」


付き合う前にちゃんと考えなさいよ。


「少なくとも、失敗に学ぶべきよね?
大勢の女の子と適当に付き合うと、
余計に分からなくなるんじゃないの?」


大勢の女の子と付き合うと、
というのは余計だけど。


「はい、はい。
俺だって好きな子にはそうするよ」


「そこの色男さん、だから、本当に
好きになった子と付き合えって、
さっきから言ってんだろ?」

わざとふざけた言い方をする。


「春もそう思うか?
俺、そのことで真剣に悩んでるんだけど」


「浮かばれない人間のために、
ちゃんと悩むんだよ、プレイボーイ君」


「わかった。悩んで出した答えなら、
春はちゃんと受け止めてくれるのか?」


ナオはもう笑ってはいなかった。


「もちろん、
ちゃんと歓迎してあげてるじゃないの。

毎回。
まるで彼女を連れてくるのは、
これが初めてって、顔して会ってあげるもの」


ナオは黙っている。


今のとこ1人に対して30人の割合だけど。
なれない風を装うのも、結構大変なんだから。

「本当に好きな女の子なら、
すぐにでも一人くらい、連れてきなさいよ。
よーく品定めしてあげるから」


「さあ、どうだろうな。努力はしてるけど」


「本当に、よーく見て探してるのかな?
高城君?」


ナオはあいまいに返事をする。


「でも、俺、こうして春と話してた方が、
誰といるより、シックリくるんだよな」
ナオは、珍しく真剣な目をして言った。

「嬉しいこと言ってくれるじゃん!
本当、友達思いだね。ナオは」


でも、

もう、覚悟は出来てるよ。

これが、運命の人だって、あなたが、
特別にキレイな人の手を取って現れるのを。
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