Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


部屋にはいると、

落ち着かないのか、
じっと床を見つめてたと思うと、
部屋の中に視線を巡らせて、
また考え込むように下を向いてしまった。


そんなに、俺と居ることって、
君を煩わせるの?


春の気持ちが、
こっちに向くまで、待つつもりだった。
春妃の方から、近づいてくれるのを。


でも、そんなことしてる時間はないようだ。
そもそも土俵に上がらなきゃ、
勝負は出来ない。


春は、コップに水を入れて、俺に渡した。



俺は、少し春と距離を置いて座った。



「ナオ…
私達このままでいられないかな?
ずっと仲のいい友達で」



俺は、ソファに深々と座って、天井を仰いだ。


「そうだな。その場合は、
あいつを選んだって事になる」

春は、驚いて俺を見る。

「選ぶなんて…そんなんじゃない」


「違わないさ。そういうことだろ?
そっか。じゃあ、そうしろよ」


「どうしたっていうの?今日のナオ、
おかしいよ」


「そうかもな。
今日はもう遅いから、泊まっていくといい。
ゲスト用の部屋があるから、自由に使って」



どこに甘える余地があるっていうの…
付け入る方法なんか、永遠に見つからない。
俺には、分からない。



< 115 / 321 >

この作品をシェア

pagetop