Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
部屋にはいると、
落ち着かないのか、
じっと床を見つめてたと思うと、
部屋の中に視線を巡らせて、
また考え込むように下を向いてしまった。
そんなに、俺と居ることって、
君を煩わせるの?
春の気持ちが、
こっちに向くまで、待つつもりだった。
春妃の方から、近づいてくれるのを。
でも、そんなことしてる時間はないようだ。
そもそも土俵に上がらなきゃ、
勝負は出来ない。
春は、コップに水を入れて、俺に渡した。
俺は、少し春と距離を置いて座った。
「ナオ…
私達このままでいられないかな?
ずっと仲のいい友達で」
俺は、ソファに深々と座って、天井を仰いだ。
「そうだな。その場合は、
あいつを選んだって事になる」
春は、驚いて俺を見る。
「選ぶなんて…そんなんじゃない」
「違わないさ。そういうことだろ?
そっか。じゃあ、そうしろよ」
「どうしたっていうの?今日のナオ、
おかしいよ」
「そうかもな。
今日はもう遅いから、泊まっていくといい。
ゲスト用の部屋があるから、自由に使って」
どこに甘える余地があるっていうの…
付け入る方法なんか、永遠に見つからない。
俺には、分からない。