Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「どうかしたのかな?」
デザートの注文を終えて、私はナオに尋ねた。
今日は、1度も笑ってくれない。
少し、考えてから、
ナオは、ため息をつくと、
あきらめたように、首をぶるっと振った。
そして、
膝に置いたナプキンがきれいに
畳まれて、テーブルの上に置かれた。
「やっぱり、
ここは俺が支払いしておくから、
後はゆっくりしておいで。
デザートも、二人分食べればいい」
ナオが、急に立ち上がった。
驚いて、私も席を立つ。
「ごめん、忙しい時に呼んじゃったのかな。
仕事だった?」
「ああ、悪いけど、もう行くよ」
「どうしたの?変だよ、今日のナオ」
「春妃?悪いけど、もう、
こういうの、もう止めよう。
お前、別に相手がいるんだろう?
こんなふうに会うのは、よくないから」
私は、出て行こうとするナオを
引き留めるために、彼の腕をつかんだ。
「何それ、今までだって
同じことしてたじゃない。
どうして、今になってダメだっていうの?」
「それは…俺の勝手だと思う。ごめん。
でも、もう無理だ」
「無理?」どういう意味?
追いかけても無駄だ。
背中でそう言われたみたいで、
ナオを追いかけることが出来なかった