Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「いったい、どうしたんです?
仕事命みたいな人が、ミスばっかりで」
由貴ちゃんに言われるまでもなく、
自分が一番どうかしてるのは、
わかっている。
由貴ちゃんが、
私のデスクの横で仁王立ちしている。
期限が切れてるって、
昨日指摘されたばっかりだ。
なのに、また、修正が出来ていない。
「うん。ごめん。それ、何とかするから」
「もういいです。私が何とかしましたから?」
「ほんとに?由貴ちゃんが修正したの?」
「いいえ。自分で何か直しませんよ。
ちょっと、別の人にお願いしただけです」
「そうなんだ。ありがとう」
「しっかりしてくださいよ」
私は、ぼんやり由貴ちゃんの顔を
見つめていた。
「ごめんね」
もともとナオは、朱音が好きだった。
私に声をかけてきたのも、
朱音と親しくなりたかったためだ。
朱音には、ずっと思っている人がいる。
ナオを受け入れなかったのは、それが理由だ。
その人とのことが、どうにか結論がでて、
ナオを受け入れらるように
なったのかもしれない。
「何か寂しいな…」
ナオと朱音が付き合えば、
私は、どうしたらいいんだろう。
「恩田さん、ちょっと、
熱あるじゃないですか、
今日はもう帰って寝てください」
私は、何でも話せる友人と、
一番大切な人を、
失ってしまったのかもしれない。