Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~



祖父がいなくなってから、
私の精神的な支えは、ナオだった。



ナオの存在が大きすぎて、

ナオと恋愛をすることで、

距離が近づきすぎて、

どうしていいのか、
分からなくなってしまうぞ。



久俊さんの言う通りだ。

高城と恋愛なんかしたら、
春の身が持たないよ。




アパートに帰り、
旅行用のバックを広げて、荷造りを始めた。



とにかく、この場所から離れたかった。
会社には、週末まで休むと連絡した。



あの時と同じだ。

祖父が亡くなって、
住み慣れた場所を離れたように、
私には、最後まで、
事の成り行きを見守る勇気がない。


朱音のところには、相談には行けない。

彼女が私のことを、
必要以上に心配してしまう。


そうじゃないでしょ?

見たくないのだ。二人でいるところを。

だから、遠くに行こうとしている。
落ち着いたら、先のこと考えよう。


ナオのいないところなら、どこでもいいや。


戸締りをして、電気を消す。


部屋の鍵を閉めてるところで、
声をかけられた。
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