Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
早足で、駐車場を出たけれど、
ナオはすぐに追ってこなかった。
本当にこれから、
私は名古屋まで出かけるのだろうか?
勢いだけで、
決心なんて少しも固まっていなかった。
行くと決めてしまおう。
背中を押すために、
バッグから携帯を取り出した。
ダイヤルをしてると、
「待て」って言う声に阻まれた。
「やっぱり、このまま行かせられるか!」
「ナオ、電話返して」
「ダメだ」
彼は、そういうと私のバッグも取り上げて、
マンションへと引き返して行った。
乱暴に、私を部屋の中に押し込み、
イライラしながら部屋の中を歩き回る。
「座れよ」
言われた通りにソファに座る。
「何か、飲むか?」
「ビールを。それと、何か食べるもの」
「食べるもの?つまみくらいしかないな」
ナオは、ビールを冷蔵庫から出してきた。
彼は、
「あまり腹の足しにはならないけど」
と断って、
ビーフジャーキーとツナ缶詰を持ってきた」
私は、それでいいと答えた。