Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


「ナオ、私、もう…覚悟できてるよ」
とっくの昔に。

「何の覚悟だよ?」


「ナオから離れる」


「何のことだ?」


「ナオに好きな人が出来たら」

ナオが私の言葉を遮る。

「何の妄想だ?」



「妄想じゃないでしょ?見たもん」


「何を?」


「あなたが、仲のいい恋人と、
二人で歩いてるのを」


「は?」


「いつ?」


「二、三日前」


「何言ってる?
最近は、朱音と話しただけじゃないか。

ええっ、まさか俺と朱音の事疑ってる?

なに言ってんの?
朱音との仲なんて、お前わかってるだろ?

春? それとも、
うんと古い話でも思い出したのか?

朱音のことは、もう過ぎたことだ」


ナオは、私の背中に腕を回して、引き寄せた。


「ふーん。それで、
俺が朱音といたところを見て、
嫉妬したんだ」


「嫉妬?」



「やきもち」


「やきもちだなんて。そんな…違う」




「いいや、嫉妬したんだ。
君は、やきもちを焼いたんだ。
朱音といた俺を見て。何度でもいってやる。
春のやきもち」


「違うって」


「違わない」

「春?そういうのは、
我慢しないで、俺にぶつけろよ」



ナオに抱きしめられて、長いキスをされた。
私が、離れなきゃいけないのは、
やきもちなんて感情からじゃない。

あなたが、
本当に必要なのは私じゃないってこと。


< 125 / 321 >

この作品をシェア

pagetop