Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「ナオ、私、もう…覚悟できてるよ」
とっくの昔に。
「何の覚悟だよ?」
「ナオから離れる」
「何のことだ?」
「ナオに好きな人が出来たら」
ナオが私の言葉を遮る。
「何の妄想だ?」
「妄想じゃないでしょ?見たもん」
「何を?」
「あなたが、仲のいい恋人と、
二人で歩いてるのを」
「は?」
「いつ?」
「二、三日前」
「何言ってる?
最近は、朱音と話しただけじゃないか。
ええっ、まさか俺と朱音の事疑ってる?
なに言ってんの?
朱音との仲なんて、お前わかってるだろ?
春? それとも、
うんと古い話でも思い出したのか?
朱音のことは、もう過ぎたことだ」
ナオは、私の背中に腕を回して、引き寄せた。
「ふーん。それで、
俺が朱音といたところを見て、
嫉妬したんだ」
「嫉妬?」
「やきもち」
「やきもちだなんて。そんな…違う」
「いいや、嫉妬したんだ。
君は、やきもちを焼いたんだ。
朱音といた俺を見て。何度でもいってやる。
春のやきもち」
「違うって」
「違わない」
「春?そういうのは、
我慢しないで、俺にぶつけろよ」
ナオに抱きしめられて、長いキスをされた。
私が、離れなきゃいけないのは、
やきもちなんて感情からじゃない。
あなたが、
本当に必要なのは私じゃないってこと。