Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


メールに気付いたのと、
同時に朱音から電話が来た。

「どうかした?」

不気味だ。ナオとのことは、
何もバレてないはずなのに。


―今朝、ナオから、訳のわからない、
浮かれたメールが来たわよ。


「それで、何か用事?」
冷たい言い方になってしまったのではないかと反省した。


―俺の、可愛い春がだって。
もう、口で言うのも恥ずかしいわ
まさか季節のことじゃないわよね。


朱音が声を出して笑ってる。


「どうしたのかな」
ナオが私のこと言っても、気にならないの?


―浮かれてるわよ。あんなの初めて。


「そう?そうは、見えなかったけどな…」


―へえー、見えなかったの?
それって、ナオの顔、
実際に横で見てた人の証言ね?


「ええ…裁判官、もう、わかったわよ。
その通りです」

ナオったら、どれだけ情報漏らしてるのよ。

―やっぱり。
ナオと一緒だったの春じゃないの。


「一緒にいただけだよ…」

―ベッドで一緒に居たのは、
あなたじゃないの?
それとも、いたの別の人かな、誰かしら?
さすがに、ナオでも、
一晩に二人も相手にしないでしょ?


「そんなことまで、言ったの!」


―言ってない、言ってない。
今のは、単なる勘だけど。
ほら、白状できた。

おめでとう。念願かなったね。
春ってほんとに可愛いわね。大好きよ。


「からかわないでよ」


ー友達同士が付き合い始めたら、
からかうものでしょ?
それで?うちには、いつ来るの?


「今日の夜、ナオと話してから…あの…」

―なに?

「あなたは、
私がナオと付き合うの何とも思わないの?」

ー私が?どうして?
ねえ、春ちゃんは、
ナオのこと好きなんでしょ?

「ええ」

ーだったら、
反対する理由なんてないじゃない
―OK. 待ってるわ
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