Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~

しばらく、待って見たけど、
ナオからは、何の連絡もない。


それにしても、広い部屋。


投資用に買うから、
家族用の物件になった。


ナオは社会人になってから、
この部屋に住んでいる。


家の会社を継がずに、
今の会社に入った時に一人暮しを始めた。


それから、この部屋に来たのは、1度だけ。


本人のいない部屋は、
単なる友達では、踏み込めない領域だ。


ナオの部屋、ちゃんと片付けられているけど、
ナオの臭いがする。
それだけでも、嬉しい。
ナオと居られるみたいで。



少ないけど、家具も、
部屋の雰囲気に合っていて、
こういうのは、ナオ、
人一倍こだわるんだろうなと思う。


「私ったら、ナオの部屋の何もかもを、
記憶に留めようとしてる」


付き合う早々、
終わりのことなんか、考えるのは変だけど。

この部屋にナオが越してから、
この部屋に長い期間、
居座ることができている人は、いない。



多分、私も無意識に、
ナオの負担にならないように
準備をしているのかも知れない。



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